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2009-11-09 Mon 23:47
主演:鈴木杏、高畑充希、七瀬なつみ、中尾明慶、佐藤B作
三重苦の少女ヘレンの家庭教師としてケラー家を訪れたアニー・サリヴァン。自らもトラウマを抱えつつ、ヘレンと向き合い、人を愛する意味を模索する。 長年、ずっと観たいなあと思い続け、念願かなって観ることができました。 期待の方が大きすぎるというのは困ったものです。特に、これだけ有名な作品になりますとね。 大竹しのぶが演じるアニー・サリヴァンがあまりにも有名なので、なにかと比較される向きもあるでしょうが、あえてその高い壁に臨んだ鈴木杏ちゃんの勇気に、まずは敬意を表します。 鈴木杏ちゃんは、豪快な性格や男性的な雰囲気を加えたサリヴァン像をよく描いていたと思います。 従来のサリヴァン像は知性や忍耐力のイメージが勝っていたけど、実際にはこういう荒削りで、無鉄砲さがなければ、これほどの偉業に挑もうとはしませんよね。説得力が生まれる演技だったと思います。 きっと、公演を重ね、年月を重ねると、もっともっとよい演技になるだろうと期待します。 作品全体で言いますと、ヘレンの「ウォーター」のシーンに向かう主人公2人のドラマかと思っていたのですが、実際には、教育論、家族論の方がよほど大きな比重を占めている内容でした。 観客も自分の価値観に照らして悩みつつ、サリヴァン先生と家族を見守ることになり、個人的にはその重みに好感が持てました。 ただ、サリヴァン先生、母親、父親の価値観の違いを、うまく観客に伝えきれてはいなかった気がします。 それぞれの対立を、セリフで納得させる演出だったのですが、それにしてはセリフにパワーが足りなかったかなと思います。ただでさえたるみやすい中盤、セリフで聴かせるには、演出力・役者力は必須なのですね。 そこがうまく行けば、家族が理解しあった上での「ウォーター」のシーンが、より一層深みを増しただろうにと惜しく感じました。 ご協力お願いします!! ↓↓↓ ブログランキング 1日1回クリック。 |
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2009-10-30 Fri 04:12
2009年、日本。出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、豊原功補。
南極観測隊として単身赴任する男8人。南極と言ってもペンギンもアザラシもいない最果ての地。ラーメンを茹でても芯が残る沸点85度の世界で、仕事のような家族のような、寒くてあったかな共同生活。 「同僚は、ともすると家族より一緒にいる。だから、同僚に遠慮するな。」 これは私の上司の名言。 仕事だから一線は引きつつも、同僚と楽しまないで会社にいられるか。という教えです。愛がありますね。 この映画のように、自分たち以外に誰も会わない場所で1年半も過ごせば、そういう関係が醸造されますね。その醸造される経過を楽しむ映画です。 髭も髪も伸び放題、服だって共有しちゃうし、誕生日だって失恋だって家族以上にイベント化。かと思えば、仕事の面では代理がいない世界だから、自分の任務を日々遂行する厳しさも垣間見えて。 8人いれば順応能力も個人差があるし、バックボーンも違う。一人ひとりの心の揺らぎや、無理せず支え合っていく一体感が、とてもあったかい作品です。 いやあ、うまいわ〜と、感心してしまうのは。 これでもかと脱力系のネタが織り込まれていて、それが抜群なバランスでテンポよく折り重なっていく。それが全編に無理なく浸透していて、非常に小技がきいた演出です。 開始3分で笑わされるとは思いませんでした。しかも、思わぬ方向から。うん、とてもうまい。 有名無名の役者さんたちの持ち味を活かした設定だというのも、相乗効果がありますね。 演技賞は、豊原功補も好きなんですが、きたろうでお願いします。ラーメンをすする演技に笑い泣かされます。 観終わったお客さんは、「料理が美味しそうだった。」と口々に囁いていました。 極寒の地で、プロの料理人が作るほっかほかの家庭料理。かなり、食欲をそそります。 ご多分にもれず、私もその日の晩御飯は、映画に出てきたステーキ(風のもっと安いやつ)にしましたよ。 ご協力お願いします!! ↓↓↓ ブログランキング 1日1回クリック。 |
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2009-10-24 Sat 12:24
2009年、日本。出演:西田敏行、大竹しのぶ、椎名桔平、福田沙紀。
築城3年で焼失した、幻の名城・安土城。2千年間そびえる5層7階の天守閣をめざし、名番匠・岡部又右衛門とその仲間たちの命を賭けた築城が始まる。 設定がとても興味深い。原作は未読ですが、きっと大層おもしろいでしょう。 そのため、期待大で映画を観にいきましたが、非常にがっかりしました。 原作を読んで溜飲を下げたい作品。 安土城の復元、番匠の仕事への情熱、主役をとりまく人間模様。 原作に描かれていると思われる、多くのエピソードを拾いたかったのでしょう。全てのテーマを余すところなく描こうとしたぶん、焦点がボヤけてしまっています。ひとつひとつのエピソードの掘り下げや、その連続による全体の構成に未消化な部分が目立ちました。 いずれかのテーマ(番匠の情熱)に絞り込み、それ以外のテーマは傍線。そう徹すれば、構成だけでもいい作品になったのにと感じました。 製作側にとっては、とても難しいことですね。心を鬼にして愛しい蛇足を切る。これができるかどうかもセンスなのだなと感じます。 さて、主役の西田敏行。 もう善人の役は無理なんではないでしょうか。「俺は大物だぞ」オーラがどうしても鼻について、芝居に手を抜いているようにしか見えないのです。悪者の脇役ならいい味を出すかもしれませんが。 情熱的で仕事一筋のはずの主役に感情移入できない以上、そこで魅力は半減です。 さらに、主役の次に出番が多い娘役は、これはもう。 家庭を顧みない父の仕事への情熱を、娘が次第に理解していく。そんな陳腐な、主軸のストーリーなんですが…。 映画の大役を歴任する福田沙紀ちゃんですが、彼女の魅力を、誰か私におしえてほしいです。 それにひきかえ、妻役の大竹しのぶは凄いなあ。 少ないカットで、余すところなく役の立場、感情を伝えます。 彼女を観るために、時間とお金を使ったと思えば惜しくない。・・・惜しいけど。 ご協力お願いします!! ↓↓↓ ブログランキング 1日1回クリック。 |
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2009-10-17 Sat 14:31
2002年、オーストラリア。フィリップ・ノイス監督。
アボリジニと白人の混血児は、白人社会へ適応するための高等教育を受けさせるという名目で、親と引き離され、強制収容所に連行されていた。施設を脱走した少女たちは、母親に会いたい一心で、2400キロ離れた故郷を目指して逃避行を始める。 ノンフィクション小説を題材にした映画です。 1931年、死出の旅路の果てに故郷にたどりついた主人公モリー(原作者の母)。彼女は、この施設から2回逃亡し、成人したのちには娘を強制連行され、二度と会うことは叶わなかったそうです。事実は小説より奇なり。 「盗まれた世代」と呼ばれた当時のアボリジニのことを、不勉強ながら全く知らなかった私です。 盗まれたのはアイデンティティです。盗んだ白人、盗まれたアボリジニ。というのがセオリーなのでしょう。 が、ここに描かれたのは、子どもの目線から見た、自分本位で哀しい大人たちです。 白人もアボリジニも、自分の都合で、悪い人にもいい人にもなる。自分ではどうしようもない都合でも、悪い人にもいい人にもなる。 彼らに騙されたり助けられたりしながら、聡明な少女モリーは成長していきます。精霊のように瞳が澄み、生命力と強い意思を感じさせる存在になります。 撮影したのはクリストファー・ドイル。色彩を意識したモダンな映像美だけでなく、モデルの生命力を画面いっぱいに満たす腕はさすがです。 この映画は、善悪を断罪しません。 アボリジニ保護局の執政官ネビルも、保護政策を人種根絶だとはひとことも言いません。少ない予算のなかでの保護政策の遂行に頭を悩ます、純粋な白豪主義者として描かれます。 アボリジニでありながら白人に使役される凄腕の捕獲者。白人宅の女中となって、主人に性関係を強要される混血児。 1930年代のオーストラリアを淡々と切り取りつつ、差別という言葉だけでは語れないテーマを、この映画は教えてくれます。 ご協力お願いします!! ↓↓↓ ブログランキング 1日1回クリック。 |
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2009-10-09 Fri 21:15
1995、アメリカ。ショーン・コネリー主演。
少女を暴行殺害した罪で死刑判決を受けて服役中の黒人青年から、冤罪を晴らしてほしいと依頼を受けた死刑反対論者の大学教授。 事件を再調査していくうちに、黒人刑事の暴行、囚人の青年の犯罪歴、そして、元検事である教授の妻との関わりまでもが判明していき…。 冤罪を晴らす裁判ものかと思いきや、さにあらず。 最後の30分のどんでん返しには脱帽です。今まで見た映画のなかで、展開に一番驚いた作品。 どんでん返しで、作風ががらっと変わる演出も見事。 1時間半は裁判推理物、残り30分はサスペンス&アクション。 別の作品ともいえる緊張感が漂うのに、継続性を感じるのは、振り向けばしっかりと張り巡らされた伏線の数々があるから。 演技も脚本も、じっくりつくりこんだ集大成を観ることができます。 ショーン・コネリーはいいですね。名前におぼれず、丁寧に演技を重ねていきます。 けだるさが残る学問の徒が、冤罪を晴らす使命に目覚め、老獪に謎を解決していく様子を、説得力もって演じていきます。 それから、エド・ハリス。 キテる人の演技はとかく注目してしまいますが、全体の構成では浮きがちなものです。アンソニー・ホプキンスのようにメインでキテるというならともかく、「脇役なのにキテる、しかも重要な伏線」という演技は、なかなか難しい。 出力は抑えめだけど印象的で、思い返すとキーワードを十分に伝えているという難しい役割を鮮やかに演じており、素晴らしいです。 ご協力お願いします!! ↓↓↓ ブログランキング 1日1回クリック。 |



