半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
Copyright © 2008 半径723mmの鑑賞録, All rights reserved.
Category..|最新の記事映画・DVD歴史マンガ博物館・美術館ニュース役者業未分類ひとこと
RSS + ADMIN + HELP

スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--:-- | スポンサー広告| トラックバック(-) | コメント(-)

天国の本屋〜恋火
2008/12/28(日)
 2004年日本。主演:竹内結子、玉山鉄二、香川照之
 リストラされたピアニストの健太は、途方に暮れ酔いつぶれていたはずが、気がつくと“天国の本屋”でアルバイトをしていた。天国で子供時代の憧れのピアニストと再会し、感激する。
 一方、地上では、商店街の花火大会復活にむけて奔走していた青年団の香夏子が、一花火師と出会い、彼が早世したピアニストの叔母の恋人だったと知る。


 小説には、映像で観たいものと、そうでないものがあります。
 先日、東野圭吾は映像化されるとつまらない、と、いろんなところで吹聴していたところ、その意見はかなり少数派らしいと知ってショックだったのですが(でも、つまらないよ。私はね。)、たとえばこの映画は、映像で観られて良かったと思える作品でした。

 たとえば、天国と現世で同じ花火を眺めるというシーンでは、現世のカット→花火のカット→天国のカットとまわせば、「ああ、この恋人達は、同時に同じ花火を見てるんだなあ」と、わずか5秒で目が潤んでしまうのですが、こういった細かなカット割りは映像ならではでしょう。
 また、天国が典型的な天国ではなく、現世とかなり接点があるのも、この作品の舞台設定のすぐれた点です。
 どの程度接点を持たせるかを「見せる」のが製作者の腕の見せ所でしょうが、天国の住人がちらっと現世にまぎれこんでいたり、現世にいた人が次のカットで天国にいたりという心憎い演出も、映像作品の特性を活かしていて、手の込んだ大人のファンタジーになっていて好感が持てます。
 「原作ではどう描かれたんだろう。」
と観客に思わせれば、映像作品として成功ですね。(逆もしかり。)

 役者では、香川照之が一番光っていました。
 恋人を死なせてしまった花火師という役柄。奇天烈な役がもともと上手な役者さんですが、変人演技に加えて、さらにバッググラウンドを見せる力には脱帽です。
 「生きてこいつと結婚してたとしても、不幸になったよ。」
と、近所のおばさんみたいな気分で、ついツッコませられる演技です。

 伏線が最後までしっかりと張られていて、非常に見ごたえのある作品でした。
 原作も読みたいなー。


 これが今年最後のレビューになるのかな。
 年間100本越えた・・・かな? 
 ご協力お願いします。
   ↓↓↓
 1日1回クリック。ブログランキング。


天国の本屋
天国の本屋~恋火@映画生活
スポンサーサイト
09:45 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0

ブロードウェイ♪ブロードウェイ
2008/12/13(土)
 2008年アメリカ。
 ブロードウェイの名作『コーラスライン』の16年ぶりの再演に向けた、8ヶ月に及ぶオーディション。
 スターダムを目指し、すべてをオーディションに賭けるダンサー達の姿を、コーラスラインの名ナンバーに乗せて綴るドキュメンタリー。
 公式HP>>> www.broadway-movie.jp/ 


 これは、すごい映画です。
 なんていったって、ドキュメンタリーでひとつの作品をなぞるという発想が、まずすごい。
 それから、すべてをかなぐり捨ててオーディションに臨むダンサー達の気迫がすごい。
 『コーラスライン』の演出家・故マイケル・ベネットの才能と、彼の意思を継ぐ製作陣の気負いもすごい。
 とにかく、舞台人として、感動と反省しきりの作品なのです。


 『コーラスライン』は、なぜつくられたのか。
 あまりにも有名な作品ので、思えば、『コーラスライン』製作秘話を考えた事もなく。
 幼い頃観た劇団四季のものでも充分、「もっといい役者であらねば!」と奮起したくらいなのですが、この映画を観ると、製作者の強い思いを知る事ができます。

 正直なところ、『コーラスライン』を昔観たときには、キャシーが主役だとは思わなかったし、なぜ彼女が鏡の前で踊らなくてはならなかったのか、とても考えが及ぶものではなかったのですが・・・。
 彼女は、ブロードウェイという弱肉強食の世界に生きるということの象徴だったのですね。
 それを描ききれていなかったということは、日本のステージ業界の現実なのかも知れないし、日本のトップステージでも描ききれなかった精神を、自分程度の舞台人は一生持てないのかもしれない、と考えてしまう気の弱さと向かいあった95分間。

 全てを賭けてのぞんでも、かつて栄誉を手に入れても、永遠に舞台に立てると保証されるものは何もない。
 金も名声も一過性のものだと、知っている。
 製作者も、初演のキャストも、オーディションに立つダンサーたちも。
 では、何のために、舞台に立つことを望むのか?
 
 この映画を観て、舞台人なら誰もが自問自答するのではないでしょうか。


 映画の冒頭とラストに繰り返される、
 「これは、私達舞台人の作品だ。」
のことばは、登場人物のリアルな姿を見せ付けられた映画のあとに、セリフの重みがいっそう響いてきます。
 
 
   ご協力をお願いします。
      ↓↓↓
 1日1回クリック。ブログランキング。


ko-rasu
ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢@映画生活
10:21 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:2
[ PROFILE ]

NAME : のんゆり
劇団オグオブの女優です。
劇団オグオブHP>>>
http://www.ogob.jp/

[ CALENDER ]
11 « 2008/12 » 01
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

[ ENTRIES ]
劇団オグオブ第18回公演 「鬼狩愚連隊、参上!」
オレンジジュースに罪はない
パクチーズ
ふりむけばカムロちゃん
政見放送

[ ARCHIVES ]
2016年10月[1]
2014年10月[1]
2014年07月[1]
2014年03月[1]
2013年11月[3]
2013年01月[1]
2012年10月[1]
2012年04月[1]
2012年03月[2]
2011年08月[1]
2011年06月[1]
2011年01月[1]
2010年12月[2]
2010年11月[1]
2010年10月[1]
2010年09月[3]
2010年08月[1]
2010年07月[4]
2010年06月[6]
2010年05月[2]
2010年04月[2]
2010年03月[9]
2010年02月[2]
2010年01月[5]
2009年12月[5]
2009年11月[1]
2009年10月[4]
2009年09月[3]
2009年08月[1]
2009年07月[3]
2009年06月[5]
2009年05月[2]
2009年04月[4]
2009年03月[2]
2009年02月[5]
2009年01月[2]
2008年12月[2]
2008年11月[3]
2008年10月[4]
2008年09月[1]
2008年08月[8]
2008年07月[4]
2008年06月[4]
2008年05月[3]
2008年04月[7]
2008年03月[12]
2008年02月[10]
2008年01月[14]
2007年12月[11]
2007年11月[14]
2007年10月[20]
2007年09月[12]
2007年08月[4]
2007年07月[8]
2007年06月[7]
2007年05月[8]
2007年04月[10]
2007年03月[8]
2007年02月[4]

[ COMMENTS ]
ゆうみん[04.16]
TMO幸手(なが)[04.07]
Maki[04.03]
通りすがり[08.17]
ざちう[06.09]
のんゆり[08.22]
Normal13[08.06]

[ TRACKBACKS ]
まとめteみた.【沖縄国際映画祭】[03.29]
映画レビュー「トイ・ストーリー3」[09.08]
ザ・ウォーカー[07.19]
『インビクタス/負けざる者たち』お薦め映画[04.01]
月曜ですねー><[05.18]

[ LINKS ]
劇団オグオブ
劇団オグオブ稽古場日記
夢をかなえるブログ
さびぬき王子の三の丸
明日は明日の風が吹く
オグオブ裏ブログ
舞台女優のアートな備忘録
mixi
まあ待て、ブログを借りる前にここを読め。

Powered By FC2
Designed By ASIA SEASON

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。