半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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南極料理人
2009/10/30(金)
 2009年、日本。出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、豊原功補。
 南極観測隊として単身赴任する男8人。南極と言ってもペンギンもアザラシもいない最果ての地。ラーメンを茹でても芯が残る沸点85度の世界で、仕事のような家族のような、寒くてあったかな共同生活。


「同僚は、ともすると家族より一緒にいる。だから、同僚に遠慮するな。」
 これは私の上司の名言。
 仕事だから一線は引きつつも、同僚と楽しまないで会社にいられるか。という教えです。愛がありますね。

 この映画のように、自分たち以外に誰も会わない場所で1年半も過ごせば、そういう関係が醸造されますね。その醸造される経過を楽しむ映画です。
 髭も髪も伸び放題、服だって共有しちゃうし、誕生日だって失恋だって家族以上にイベント化。かと思えば、仕事の面では代理がいない世界だから、自分の任務を日々遂行する厳しさも垣間見えて。
 8人いれば順応能力も個人差があるし、バックボーンも違う。一人ひとりの心の揺らぎや、無理せず支え合っていく一体感が、とてもあったかい作品です。


 いやあ、うまいわ~と、感心してしまうのは。
 これでもかと脱力系のネタが織り込まれていて、それが抜群なバランスでテンポよく折り重なっていく。それが全編に無理なく浸透していて、非常に小技がきいた演出です。
 開始3分で笑わされるとは思いませんでした。しかも、思わぬ方向から。うん、とてもうまい。

 有名無名の役者さんたちの持ち味を活かした設定だというのも、相乗効果がありますね。
 演技賞は、豊原功補も好きなんですが、きたろうでお願いします。ラーメンをすする演技に笑い泣かされます。


 観終わったお客さんは、「料理が美味しそうだった。」と口々に囁いていました。
 極寒の地で、プロの料理人が作るほっかほかの家庭料理。かなり、食欲をそそります。
 ご多分にもれず、私もその日の晩御飯は、映画に出てきたステーキ(風のもっと安いやつ)にしましたよ。


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04:12 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:1

火天の城
2009/10/24(土)
 2009年、日本。出演:西田敏行、大竹しのぶ、椎名桔平、福田沙紀。
 築城3年で焼失した、幻の名城・安土城。2千年間そびえる5層7階の天守閣をめざし、名番匠・岡部又右衛門とその仲間たちの命を賭けた築城が始まる。


 設定がとても興味深い。原作は未読ですが、きっと大層おもしろいでしょう。
 そのため、期待大で映画を観にいきましたが、非常にがっかりしました。
 原作を読んで溜飲を下げたい作品。

 安土城の復元、番匠の仕事への情熱、主役をとりまく人間模様。
 原作に描かれていると思われる、多くのエピソードを拾いたかったのでしょう。全てのテーマを余すところなく描こうとしたぶん、焦点がボヤけてしまっています。ひとつひとつのエピソードの掘り下げや、その連続による全体の構成に未消化な部分が目立ちました。
 いずれかのテーマ(番匠の情熱)に絞り込み、それ以外のテーマは傍線。そう徹すれば、構成だけでもいい作品になったのにと感じました。
 製作側にとっては、とても難しいことですね。心を鬼にして愛しい蛇足を切る。これができるかどうかもセンスなのだなと感じます。


 さて、主役の西田敏行。
 もう善人の役は無理なんではないでしょうか。「俺は大物だぞ」オーラがどうしても鼻について、芝居に手を抜いているようにしか見えないのです。悪者の脇役ならいい味を出すかもしれませんが。
 情熱的で仕事一筋のはずの主役に感情移入できない以上、そこで魅力は半減です。

 さらに、主役の次に出番が多い娘役は、これはもう。
 家庭を顧みない父の仕事への情熱を、娘が次第に理解していく。そんな陳腐な、主軸のストーリーなんですが…。
 映画の大役を歴任する福田沙紀ちゃんですが、彼女の魅力を、誰か私におしえてほしいです。

 それにひきかえ、妻役の大竹しのぶは凄いなあ。
 少ないカットで、余すところなく役の立場、感情を伝えます。
 彼女を観るために、時間とお金を使ったと思えば惜しくない。・・・惜しいけど。


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12:24 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:2

裸足の1500マイル
2009/10/17(土)
 2002年、オーストラリア。フィリップ・ノイス監督。
 アボリジニと白人の混血児は、白人社会へ適応するための高等教育を受けさせるという名目で、親と引き離され、強制収容所に連行されていた。施設を脱走した少女たちは、母親に会いたい一心で、2400キロ離れた故郷を目指して逃避行を始める。

 ノンフィクション小説を題材にした映画です。
 1931年、死出の旅路の果てに故郷にたどりついた主人公モリー(原作者の母)。彼女は、この施設から2回逃亡し、成人したのちには娘を強制連行され、二度と会うことは叶わなかったそうです。事実は小説より奇なり。

 「盗まれた世代」と呼ばれた当時のアボリジニのことを、不勉強ながら全く知らなかった私です。
 盗まれたのはアイデンティティです。盗んだ白人、盗まれたアボリジニ。というのがセオリーなのでしょう。
 が、ここに描かれたのは、子どもの目線から見た、自分本位で哀しい大人たちです。
 白人もアボリジニも、自分の都合で、悪い人にもいい人にもなる。自分ではどうしようもない都合でも、悪い人にもいい人にもなる。
 彼らに騙されたり助けられたりしながら、聡明な少女モリーは成長していきます。精霊のように瞳が澄み、生命力と強い意思を感じさせる存在になります。
 撮影したのはクリストファー・ドイル。色彩を意識したモダンな映像美だけでなく、モデルの生命力を画面いっぱいに満たす腕はさすがです。
 
 この映画は、善悪を断罪しません。
 アボリジニ保護局の執政官ネビルも、保護政策を人種根絶だとはひとことも言いません。少ない予算のなかでの保護政策の遂行に頭を悩ます、純粋な白豪主義者として描かれます。
 アボリジニでありながら白人に使役される凄腕の捕獲者。白人宅の女中となって、主人に性関係を強要される混血児。
 1930年代のオーストラリアを淡々と切り取りつつ、差別という言葉だけでは語れないテーマを、この映画は教えてくれます。


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14:31 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0

ショーン・コネリーの『理由』
2009/10/09(金)
 1995、アメリカ。ショーン・コネリー主演。
 少女を暴行殺害した罪で死刑判決を受けて服役中の黒人青年から、冤罪を晴らしてほしいと依頼を受けた死刑反対論者の大学教授。
 事件を再調査していくうちに、黒人刑事の暴行、囚人の青年の犯罪歴、そして、元検事である教授の妻との関わりまでもが判明していき…。

 冤罪を晴らす裁判ものかと思いきや、さにあらず。
 最後の30分のどんでん返しには脱帽です。今まで見た映画のなかで、展開に一番驚いた作品。
 
 どんでん返しで、作風ががらっと変わる演出も見事。
 1時間半は裁判推理物、残り30分はサスペンス&アクション。
 別の作品ともいえる緊張感が漂うのに、継続性を感じるのは、振り向けばしっかりと張り巡らされた伏線の数々があるから。
 演技も脚本も、じっくりつくりこんだ集大成を観ることができます。
 
 ショーン・コネリーはいいですね。名前におぼれず、丁寧に演技を重ねていきます。
 けだるさが残る学問の徒が、冤罪を晴らす使命に目覚め、老獪に謎を解決していく様子を、説得力もって演じていきます。
 
 それから、エド・ハリス。
 キテる人の演技はとかく注目してしまいますが、全体の構成では浮きがちなものです。アンソニー・ホプキンスのようにメインでキテるというならともかく、「脇役なのにキテる、しかも重要な伏線」という演技は、なかなか難しい。
 出力は抑えめだけど印象的で、思い返すとキーワードを十分に伝えているという難しい役割を鮮やかに演じており、素晴らしいです。


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21:15 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0
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NAME : のんゆり
劇団オグオブの女優です。
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