半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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私の中のあなた
2009/12/31(木)
 2009年アメリカ。出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ
 11歳の少女アナは、白血病の姉ケイトへのドナーとして、遺伝子操作で出生する。アナの誕生と同時に、ケイトへの臓器提供と治療に明け暮れる日々ながらも、家族仲睦まじかった。しかし、ある日突然、アナが両親を訴え、臓器提供を拒む。

 今年の映画のなかでどれが一番良かったか、と問われたら、『スラムドック$ミリオネア』か、この作品を挙げます。
 両作品とも重いテーマを扱いながらも、有名ではないけど確かな演技力のある出演者が揃い、監督の斬新な演出で、最後まで惹きつけられました。

 登場人物が全員うまいというのは、非常に稀有なことかもしれません。
 誰かが突出していい味を出しているというより、作品のテーマに全員が寄り添っているという印象があります。
 きっと、製作意図や全体のなかの役者の位置づけを、監督と役者できちんと共有できていたのだと思います。

 さらに、十分に練られた人物相関図。
 ドナーとして出生した少女、妹を犠牲にして延命する姉、被告兼弁護人として法廷に立つ母、彼女らを支える家族、重い持病を持つアナの弁護士、娘を亡くしたばかりの裁判官…。
 説明するでもないのに、ひとりひとりの感情が際立ちます。だからこそ、相反する意見がすれ違い、時にぶつかります。簡単に解決できない問題を、すこしずつ解きほぐしていく過程に、とても感動させられます。

 この作品は、母子の物語であると同時に、姉妹の物語でもあります。
 アナはなぜ、裁判を起こしたのか。
 それは、母親に自分らしく生きてほしいとの子どもたちからの祈りでもあります。
 真実の理由が判明したとき、姉妹3人の深いつながりを感じます。
 
 また、アナが裁判を起こして苛立つ母サラを、彼女の妹はいさめます。
「私はいつだってあなたの味方よ。だって、私はあなたの妹だもの。」
 この言葉を、私も、姉と妹たちに贈りたいと思います。


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21:53 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:1

セレンディピティ
2009/12/24(木)
 2001年アメリカ。出演:ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセイル
 7年前のクリスマス、デパートで1対の手袋を取り合った男女が意気投合。「もし運命の相手だったら、名前も住所も知らなくても巡り合える」と、わずか数時間で別れを選ぶ。
 お互いに、別の相手との結婚を目前にした7年後。我知らず、忘れられない相手との、再会の啓示を探し始める…。


 クリスマスらしい、おしゃれで素敵なラブストーリー。
 セレンディピティ。いい響きの言葉ですね。
 上には「運命の相手」と書きましたが、これはヒロインの解釈によれば間違い。「運命」は存在せず、物事の全ては「必然」である。必然の物事ならば、その「啓示」をたどれば必ず到達する。この過程が、セレンディピティ。ああ、混乱・・・。

 忘れられない相手を追い求め、右往左往する男女。ニアミス、ニアミス、またニアミス。
 彼らの周りには啓示がたくさん転がっています。それを観客は知っているのに、本人たちは別のものを啓示だと思いこんでは、「もう探すのはやめろってことなんだ」と悩む。
 それが、この映画のおもしろいところです。
 私のそばにも啓示は転がっているかも、気がつかないだけで。セレンディピティさえあれば、何かが変わるかも! と、空想させてくれるところが楽しいです。

 ジョン・キューザックは大好きな役者さん。とにかく演技達者なのです。言葉にしづらいけど、無理がないというか。
 ケイト・ベッキンセイルは、超絶美人ですね~。『から騒ぎ』のヒーロー役もキュートでしたが、今回の役も華があります。
 クライマックスなんて、ブカブカで冴えない地味なシャツとパンツで、髪もぼさぼさ。それでも、男が惚れ直しちゃうのも納得の美しさです。


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21:17 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0

ミッシング
2009/12/23(水)
 2003年アメリカ。ロン・ハワード監督。出演:トミー・リー・ジョーンズ、ケイト・ブランシェット
 19世紀末、ニューメキシコ。治療師のマギーの娘が、人買いのアパッチ族に誘拐される。娘の救出のため、かつてインディアンを目指すと言って家族を捨てた父親に、マギーは助力を求める。

 
 ロン・ハワードのパンの映像、美しいなあ。大画面で観たい監督のひとりですよね。
 荒野を疾走する馬、砂漠での逃走、深夜の岩山での乱闘…。乾いた土やぬるい風の匂いがする。
 血なまぐさいシーンも少なくないのに、大自然に浄化される気がします。

 そして、物語にも説得力が生まれます。
 文明がまだまだ未発達な時代と場所だから、限られた資源を享受して、人は生活しなきゃいけません。選択肢のない時代です。
 好きな生き方を選択すれば、家族を捨てることにもなってしまう。そんな父に取り残された娘は、過酷な現実を生き延び、頑なな性格に成長する。その母を厭い、都会の生活に憧れる娘。
 荒野に生きた3世代の愛憎が軸となり、挫折を重ねながら、孫娘の救出を目指します。

 重厚なツンデレを演じさせたら右に出るものがいないケイト・ブランシェットが、骨の髄まで父親を憎む現実主義者のマギーを演じます。
 娘に罵詈雑言を浴びせられながら、贖罪を胸に、何度でも孫娘を救いに向かう寡黙なタフガイに、トミー・リー・ジョーンズ。
「さあ、家に帰りましょう。」
 父の遺骸を馬の背に乗せ、帰途につくさりげないシーンに、ぐっとこみあげてくるものがあります。

 荒野育ちのたくましいマギーの末娘を、ジェナ・ボイドが好演。大人よりも冷静に、真理を質す心憎い配役です。
 気になる俳優アーロン・エッカートが、序盤であっさりと死んじゃったのには、あっけにとられましたがねぇ。


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09:01 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0

アンナと王様
2009/12/19(土)
 1999年アメリカ。ジョディ・フォスター、チョウ・ユンファ。
 ラーマ4世時代に皇太子の英語教師であったアンナ・レオノーウェンズの手記を映画化。

 『王様と私』のリメイク版…というか、原作本により忠実につくった映画です。
 でも、『王様と私』のイメージが強いから、いつ踊るか、いま歌うかとつい期待してしまいます。結局、最後まで歌はありません。舞踏会のシーンはありましたが「Shall we dance?」でもなかったし。

 『王様と私』との比較でいえば、チョウ・ユンファには分が悪いですね。比べちゃいけないけど、ユル・ブリンナーはかっこいい。細身の筋肉質&丸刈りがシャム王として不動のイメージになっているのだなあ。ただのヨーロッパのエキゾチックイメージの体現だとわかっていても、シャム王はガリマッチョであってほしい。

 シャム王国側の出演者は、メインは全員が中国人俳優なのですね。
 タイ人と中国で暮らしていた経験があるので、個人的には、「全然顔立ちが違うのに~」と鼻白んでしまいます。ハリウッド映画に出てくる日本人が、明らかに主食が米じゃないとわかる顔立ちだったときの残念感ですね。
 それでも、元カレ恋しさに脱走して処刑される王の側室役のバイ・リンは、個性的な顔立ちで印象的でした。

 俳優で言えば、子役でハリー・ポッターシリーズのマルフォイくんが出演していましたね。
 彼は英国人ですが、母親役のジョディ・フォスターはアメリカ人。
 「英国人が異文化に触れ、大英帝国至上主義から脱却する」がテーマの映画であるはずなので、主演もブリティッシュ・イングリッシュを喋る女優のほうが良かったのではないかなと思います。

 総体的には、ステレオタイプの「異文化交流&恋物語」ではなく、譲れるところと譲れないところを丁寧に積み上げて描いたところは、非常に好感が持てました。
「郷に入って郷に従え」は安易な譲歩になりかねない。というメッセージは目からウロコですね。


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哲学者、宮田安騎之助之冒険
2009/12/09(水)
 ケンユウオフィス所属の声優さんたちによる、演劇ユニット風(ルン)の公演です。
 出演するのはプロの声優さんたちばかり。
 なので、言葉の聴きやすさは抜群ですね。哲学の小難しい単語も、聞きなれない鎌倉時代の用語も、スッと耳に入ってきます。
 哲学的命題や古典にこだわりすぎる作品は単語が聞き慣れず、観客としては引いてしまうものです。ただの劇団と異なる優位性を、大活用。すばらしいことです。

 また、セリフ自慢の役者さんは、セリフに重点を置きすぎて個性に欠けがちというのが私見なのですが、非常に個性的で表情豊かな役者さんもたくさんいましたし、動きでも魅せるという演出家の意図も垣間見え、満足できました。
 流行のスタイルではないかもしれないけど、会話に頼らない芝居も、私はやっぱり好きですね。

 
 ストーリーもおもしろい。
 ある哲学者(男)が眠っている間は、鎌倉時代の女領主になぜか獲り憑き、その時代で生活することになります。慣習だらけの生活を哲学的思索で乗り越えながらも、時代を超えても変わらない命題にたどりつく。というもの。
 精神科医の友人に夢診断をしてもらううちに、夢の世界の家臣(男)に恋心?を抱いていると気づき、そして元恋人(女)が精神科医と婚約したと知る。時空と性別を超えた三角関係(五角関係)を描くくだりから加速して面白くなります。
 最後は偉大なる夢オチなんですが、それも愛嬌と思えるほど、重厚ながらも軽妙で良質な芝居です。

 
 惜しむらくは、哲学者が終幕に憑依を止めるか否かを、主演女優さんが演じ分けられなかった点ですね。
 それと、女領主さんと恋愛フラグが立ってるのが誰なのかもよく見えなくて。
 終幕のエピソードを盛り上げる重要な要素なので、もっと丁寧に描けば、満点。
 もちろん、ストーリーを追っていけばわかるのですが、演技で納得させてもらえれば、かなり印象的ないい芝居になっただろうと少々残念に思いました。


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01:03 | 役者業| トラックバック:0 | コメント:0
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NAME : のんゆり
劇団オグオブの女優です。
劇団オグオブHP>>>
http://www.ogob.jp/

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