半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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エアベンダー
2010/07/31(土)
 2010年アメリカ。監督:ナイト・シャマラン、出演:ノア・リンガー、ニコラ・ペルツ、デヴ・パテル。
 人間と精霊が共存する世界。世界を構成する4つの要素:気、水、地、火を操る能力者はベンダーと呼ばれた。その中でも、4元素全てを操れるベンダーはアバターと呼ばれ、精霊たちと協力して世界の調和を守る者として転生する。今生のアバター、気のベンダーのアンは、他の3つの要素を習得する旅に出る。



 世界の鍵を握るのが子どもという設定以外にも、ハリー・ポッターを彷彿とさせる雰囲気が全般的にただようのですね。
 ハリー・ポッターとの差別化をいかに図るかが、製作の難しさだったのではないでしょうか。
 設定はわかりやすくて、おもしろくなりそうな要素はたくさんあります。個人的には、世界観はハリー・ポッターよりも馴染みやすいです。

 では、ハリー・ポッターにあって、エアベンダーにないものは?
 それは、演技力。ここが、この2つの映画の出来の格段の差です。

 出演者たちに、監督が一番求めたのは武芸の巧拙なのでしょう。
 アン役のノア・リンガーくんはスポーツ武術の世界ではチャンピオン級なのだとか。一目で、本物の武術の使い手だとわかります。ヒロインのニコラ・ペルツも、一朝一夕の太極拳の腕ではないとわかります。
 そのぶんだけ、演技の巧拙はどうしても劣ってしまいます。 武術が不要な役もスター俳優を揃えているわけでもなく、ビジュアル面も、他の映画と比べるとどうしても。

 こうして比較すると、ハリー・ポッターシリーズは、決め技を使うにしても、杖をふるって呪文を叫べばいいですからね。役者さんたちは、そのぶん演技の勉強をする余裕も生まれますから、長編シリーズ化しても観るに耐える水準をキープできます。
 だけど、こちらの作品は・・・。
 シリーズ化を予定されているようですが、続編への楽しみがつながっていかない出来です。
 「水」の型は太極拳ベースだったから、次の「地」編はどの武術ベースかなあ。ノア・リンガーくんはきっと習得しちゃうんだろうなあ。美しいだろうなあ。という方面の楽しみになってくるわけです。
 興味のない人は見ることはないでしょう?
 
 物語の続きは気になりますが、映画として見るのはもう十分。
 続編はちゃんと上映されるのでしょうか?


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00:49 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:2

オルセー美術館展2010「ポスト印象派」
2010/07/25(日)
 @国立新美術館。

 印象派~ポスト印象派は日本でもよく展示会がありますが、今回はひとことで言うと、「1,500円は激安!」でした。この1点で展覧会が開けるという秀作、有名作品が目白押しです。入場30分待ちもやむをえません。(そして、入場制限を知っていながら、土曜の昼下がりに行ってしまった私が阿呆です。)

 ただ、私は常々、博物館・美術館には「車いす&子ども専用ゾーン」を最前列に設置すべきだと考えていますが、今回は特にその思いを強くしました。
 評判の展覧会ですから、お子様連れや車いすのお客様も多数いらっしゃいます。しかし、一番混雑しやすい第1室はもちろん、教科書に載るほど有名な作品の前には人が押し寄せ、彼らの入り込む余地がないのです。後方で残念そうに、疲れた顔でたたずんでいる姿をよく見かけます。
 芸術と文化は、すべての人に公平にチャンスが与えられなくてはなりません。
 こういうミュージアム弱者のためにも、適切な距離で展示品に接する工夫を施されたいものです。


<好きな作品>
第1章 最後の印象派
●ドガ「階段を上がる踊り子」:もう1枚目からドガですもん。贅沢ですね。ゆるくシャッターを切った写真のように、手前の3人の踊り子が、1人の動きの軌跡を描いています。
●モネ「日傘の女性」:絵をこよなく愛する母が、私に贈ってくれた絵葉書に描かれていた女性。その日から、この絵に描かれているのは、私の母親です。

第2章 スーラと新印象主義
●スーラ「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」:スーラの技法を習得した画家は多くても、スーラには、彼に見えるものを描くには点描しかなかったんだと思わせてくれる絵です。額も点描なの。
●ジョルジュ・レメン「ハイストの浜辺」:この絵、この展覧会のなかで浮いています。印象派なのかもしれないけど、すごくビビットで前衛的。この時代に、こんな絵を描いていた人がいたのが驚きです。

第3章 セザンヌ主義
ああああ、私にはセザンヌが理解できません。構成美を極めたところが偉いの?
セザンヌが生涯をかけて描きつづった「サント=ヴィクトワール山」の1枚を見られたのはうれしかったです。

第4章 ロートレック
迫力ありますよねー。厚紙に大胆にふるわれた筆致。未完成なのに、完成品。
「赤毛の女(化粧)」のエロティックさにはドキドキ。娼婦に対する男性客の支配欲を描いた作品。PG-12ですよもぉ。

第5章 ゴッホとゴーギャン
 共同生活を営んだ二人の天才の作品を向かい合わせに展示する手法に、まずは感服。やりますね、新美!
 ゴーギャンの「タヒチの女たち」「≪黄色いキリスト≫のある自画像」など著名作品も見られて感激ですが、ここはやはりゴッホかな。
 数年前に国立西洋美術館に来た「アルルのゴッホの寝室」すら抑え込み、今展覧会№1の人気を誇る「星降る夜」。これまた有名な「自画像」。ゴッホはがぶり寄りで、肉厚の筆致を見るのが楽しいよね。ゴッホの黄色はどうしてあんなに輝くのでしょうね?

第6章 ボン=タヴェン派
エミール・ベルナール「日傘を持つブルターニュの女たち」:怖いよー。この絵、本当に怖いです。女たちの嫉妬と妄執が飛び交ってます。主役の少女は、いったい何をしてこんなに恨まれるようになったのでしょう。

第7章 ナビ派
 ナビ派をこれだけ特集した展覧会も滅多にないのではないでしょうか? お買い得!
●ドニ「カルヴァリオの丘への道」:悔しいけど、ドニは本当に天才なのだと思います。こんなに技術も発想も独特で、しかも飄々としている小憎たらしさがあります。宗教の題材だって、美しいのに皮肉めいています。
●ピエール・ボナール「白い猫」:この絵、理屈抜きで大好き!!! だって、うちの猫にそっくりなんですもの。どうしてこんなに伸びちゃったの。つい、絵葉書を買ってしまいました。猫好き画家さんですね。
●ヴァロットン「ボール」:また会うことができました。不思議な絵です。幻想的で、純粋で、でも大人の悪意と子どもの無邪気さが共存していて、底冷えを感じる絵です。

第8章 内面へのまなざし
●モロー「オルフェウス」:この絵に関しては、語りつくすということはないでしょう。完全なる人工の美というものがあるなら、モローの作品がまさしくそうです。「輝く未来を選ぶこともできる。しかし、過去を選択するのも幸福である。」というメッセージを私は感じましたが、いかに。
●ヴァロットン「夕食、ランプの光」:ヴァロットンの描く子どもは、どうしてこんなにあどけなく、大人の奥底を貫くのでしょう。子どもはいつだって真実を知っています。

第9章 アンリ・ルソー
 終盤になってルソーってひどいですよ。やっと終わり!とゴールが見えたときに、精気を吸われてしまいました。
「戦争」。ゲルニカも本物はすごい迫力だと聞きますが、ルソーの戦争も怖い。怒りと哀しみ。笑っているかのように見える戦の精霊は、浮世絵の疫神のように、人々を身も心も浸食していきます。


  損はしません。初心者にも向いてます。いってみてね。
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ボナール「白い猫」


04:00 | 博物館・美術館| トラックバック:0 | コメント:0

ザ・ウォーカー
2010/07/19(月)
 2010年アメリカ。出演:デンゼル・ワシントン、ゲイリー・オールドマン
 世界の滅亡から30年後。世界に1冊だけ残った謎の本を携え、西へ歩き続けるイーライは、“文明的な街”を訪れる。そこの首領カーネギーは、「世界を変える本」を探していた。イーライの持つ本を巡り、カーネギー一味とイーライの激しい攻防が始まる。



 舞台設定とその詳細な描写、人物設定は、『マトリックス』同様に非常にこだわりが見られます。
 そこだけでも及第点なのですが、定番の世紀末ものに留まりません。
 謎の本の真相が小出しにされるなどミステリー要素もあり、滅亡後の世界しか知らない美女とのロマンスもあり、どちらかというと知的派のデンゼル・ワシントンのアクションあり。
 それぞれの要素が十分にからみ、上質のエンターテインメントに仕上がっています。

 特に、西洋史好きの方には満足いただける作品。
 逆に言うと、西洋史や宗教学になじみがないと、この作品の奥深さに気づいてもらえないかもしれません。ちまたの(日本での)評価の低さも、その影響である気がします。

 謎の本は、いったい何なのか?
 この謎がわかると、この作品の面白さは深みを増します。
(以下、ネタバレです!!!
 ここから先は映画をご覧になる方はお読みにならないでくださいね。)

 世界で一番多く出版された本が、1冊しか残らない。
 更なる設定として、「宗教の力で人心を掌握すれば、世界の王になれる。」ここが良いですね。千年以上の歴史にわたって起こった多くの戦争の動機であり、いまでも紛争が絶えない原因です。
 先進文明に浸っている国に住む者にとっては、対岸の火事のように思えます。しかし、大戦争がひとたび起これば、ぬるま湯生活を満喫している自分にも降りかかってくる命題かもしれない。宗教戦争に巻き込まれていく疑似体験をするかのような心境になりました。

 また、イーライは、100年経てばきっと「聖者」と呼ばれるようになる存在なのでしょう。
 宗教をテーマにした映画であれば、あらかじめ「聖○○」と呼ばれる登場人物が出てきます。そして、聖典に描かれた内容の人生を送ることを、観客は期待します。
 しかし、この作品では、逆のアプローチ。
 観客は、意固地に本を守ろうとする生身の登場人物に共感し、時に聖なる力に守られていることに奇異を覚えながらも、彼を見つめることになります。そして、ロードムービーを見ているつもりだったのに、いつしか彼の巡礼を見守っていたのだと気づくことになります。
 ただのスーパーの店員だった青年が、啓示を受け、巡礼者を志したのであろう。映画には描かれていない部分さえも想像しながら、聖者が出現するのを目の当たりにできるのです。
 私は宗教には詳しくないけれど、これが現実なら、奇跡と呼んで喜ぶのかもしれません。

 最後の大どんでん返しで(いくぶんご都合主義ですが)、イーライは本を目的地に運び、カーネギーは本の入手に失敗します。
 物語としては悪に正義が勝ったことになりますが、何が正義で何が悪なのかは、本当はわからない。
 カーネギーが本を手に入れれば、少しでも早く、世界に秩序をもたらすことができたかもしれない。実際に、世界の歴史は、暴虐なれど英明な君主の出現によって、少しずつ前進してきたのですから。
 かつて人類がいくつも通り過ぎたであろう歴史の分岐点を、またここでひとつ通り過ぎたのであり、それが運んでくる未来は、良いのか悪いのかわからない。
 それを示唆して終わるのも、この映画の魅力だと思います。


デンゼル・ワシントンのアクションは本物でしょうか?
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ザ・ウォーカー@ぴあ映画生活


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ピンポン
2010/07/17(土)
 2002年日本。原作:松本大洋、監督:曽利文彦、出演:窪塚洋介、ARATA、夏木マリ、中村獅童。
 卓球の天才児ペコは、敗北を味わって卓球の世界から身を引いた。一方、幼馴染のスマイルは、ペコが卓球を教えて以来、めきめきと頭角を現し、インターハイのスターとなっていた。数々の強豪選手に挑まれながらも、スマイルはペコの復活を待ち続けていた…。



 映画鑑賞は趣味だし、1日に4~5本観るくらいは苦じゃないのですが、たまに「何故か観終わらない映画」に出くわします。
 何度チャレンジしても、途中で寝ちゃう映画。つまらなければ中断できるのに、魅力が垣間見えるので中断できない作品。

 『ピンポン』は4回くらいチャレンジして、ようやく観終えることができました。原作を読みとおすのも苦労したなあ。松本大洋の空気感が苦手なのか。
 見終わったあとに振り返ると、何を描きたかったかが腑に落ちるのですが、途中まではよくあるドラマに見えます。
 それでも、一気に観て「つまらなかった」と後悔する作品がある一方で、切れぎれ鑑賞でも最後に一定の満足感を味わえる作品だと思います。

 最後まで観ようと思わせてくれたのは、夏木マリのキャラクターです。原作のオババとニュアンスはまったく異なるのに、同じくらい強烈なキャラクター。がさつなおばあちゃんだけど、女性としても憧れてしまう美しさがあります。
 キャスト陣で言えば、主演の窪塚洋介を始めとして、個性的なキャラクターを集めています。それぞれ、原作に負けず劣らず強烈で、好感が持てます。
 が、そこになんだか不協和音を感じます。総体的な波長がとれていないというか。みんな別の方向を向いて、作品を創っているようです。
 シーンごとに、別の作品を観ている心持ちになってしまい、そこに鑑賞が断続的になった理由があるように思えます。(と、自分の持続力のなさを正当化。)


 レビューを書くのにも、ものすごく時間かかっちゃった…。
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21:35 | 映画・DVD| トラックバック:0 | コメント:0
[ PROFILE ]

NAME : のんゆり
劇団オグオブの女優です。
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