半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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上海の伯爵夫人
2008/02/23(土)
公式HP>> http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/

 2005年.英米独中 合作。出演:レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、真田広之。
 1930年代、上海を舞台に、ロシア革命で亡命中の元伯爵夫人・ソフィアと、盲目の外交官ジャクソン(のちに高級バーのオーナー)の恋を描く。惹かれあいながらも、お互いの娘への想いからビジネスライクに徹してきたふたりだったが、日中戦争の勃発が彼らの運命を変えていく。



 日本版の予告編などを見ると真田広之がかなりクローズアップされているのですが、期待するほどには登場しません。むろん、準主役だし、彼の存在がキーポイントなのですが、主役はあくまでソフィアとジャクソン。
 しかしながら、狂言回しと言うでもなく、アクティブに準主役面をするわけでもないのに、とにかく圧倒的な存在感で押しまくる、渋い真田広之は必見です。
 4カ国合同製作、難しいキャラ設定、セリフは英語、オールロケ・・・よくぞこの条件でオファーを快諾したし、ここまでの存在感を出せるものだと役者としての度胸に感心しきりです。


 その点は、登場人物全員にあてはまる度胸かもしれません。
 主要キャストはすべて民族・母語が違うのですよ。真田=大和、外交官ジャクソン=アングロ・サクソン、伯爵夫人ソフィア=スラブ、仲良しのおっさん=ユダヤ。そして舞台は上海=漢民族だらけ。
 エキストラへの指示ひとつでも困難だったでしょうに、これを映画化した製作側も好きものだなあ。
 国際都市・上海租界を表現したかったとはいえ、ここまで民族を分散させた設定には、作り手の執念を感じます。なのに、会話がすべて英語という設定に、無理やり感があって微笑ましくてなりません。


 さて、クライマックスにも描かれる「上海租界への日本軍の侵攻」について、ちょっと小話。
 英仏独日など列強諸国に支配されていた上海。租界で一応の均衡を保っていたものの、1937年に日本軍が突如、侵攻してきます。

 一般に「上海侵攻」と呼ばれるこのときの、上海の大騒乱は有名です。
 中国人も外国人も入り乱れて逃げまどう最中、日本陸軍が列を組んで整然と行進する風景。混乱に乗じた犯罪も跋扈し、逃げ遅れた外国人は子どもでも捕虜収容所に送られます。
 この風景は、スピルバーグの『太陽の帝国』など、当時の上海を描いた外国映画にはよく登場するのですが、不思議と、日本では知られていません
 日本側の資料がすくなかったのかと思いきや、当時上海に住んでいた日本人古老(の聞き語りを翻訳するバイトを、以前やっていまして。)の草の根の証言も少なくないのです。

 南京大虐殺と並んで、海外では超有名な上海侵攻。
 ともに「そんな歴史事実はなかった」と主張するには、日本と外国の、あまりの温度差だよなぁ。と、思ってみたり。


 最後に、ベスト演技賞を挙げるなら、ソフィアの義妹・グルーシェンカ役のマデリーン・ポッター
 おちぶれ亡命貴族で気位ばかり高く、やむなく水商売に出た嫁のソフィアの稼ぎに寄生するしかないのに、家族のために身を落としたソフィアをさげすみイビリたおす、ベリンスカヤ元伯爵家。
 この勘ちがい元貴族一家の壮絶なる貴族的イジメは一見の価値ありなのですが、その急先鋒が義妹グルーシェンカです。

 ソフィアは大嫌いだが、ソフィアの娘で亡き兄の遺児であるカティアは大好き。その偏愛ぶりをおし隠すような一貫した冷淡な口調で、ソフィアを精神的に追い詰めます。
 感情がないのかとすら思わせておいて、クライマックスシーンでカティアを呼ぶ悲痛な叫び声。彼女の傲慢さに辟易していた観客の気持ちを、一気に引き戻す究極のツンデレ演技です。

 ちなみにこの貴族一家、実は役者同士も親子なんですよね。
 ソフィアの義伯母役は実母、同じく義母役が実の叔母。
 嫁ソフィア役のナターシャ・リチャードソンを、映画では理不尽にイビリたおしますが、実は私生活では本物の母と叔母で、面立ちもよっぽど似ているのです。


   劇団オグオブの次回作の舞台は上海ですって。
   読んでいただいて感謝です。
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      真田広之


   ストーリーを読みたい方は・・・・・ →→→→(ネタバレ注意)

【上海の伯爵夫人 あらすじ】

 上海に亡命してきた元ロシア伯爵家の嫁・ソフィアは、日々の食事にもこと欠く一家の生活を支えるため、外国人高級バーでホステスをしていた。身を持ち崩す不安や安定しない収入に悩む毎日。そのうえ、一家は「伯爵家の恥だ」とソフィアを一様にさげすみ、娘のカティアとも引き離そうと画策され、辛い毎日を送っていた。

 同じころ、上海に逗留していた敏腕外交官・ジャクソンは、失明をきっかけに業界を引退し、長年の趣味であった高級バーを開店しようと計画していた。ソフィアと出会い、彼女の陰のある高貴さにほれ込んだジャクソンは、彼女をヘッドハンティングし、夢の計画に乗り出す。

 ソフィアをママにした最高級バー「白い伯爵夫人」が開店した。趣味人の日本商人・マツダの口利きにより、国際色・政治色に富んだバーとして成長し、頽廃的な上海そのものとして大盛況だった。ジャクソンも大満足だったが、雇われママのソフィアとは憎からず思いながらも距離感は縮まらなかった。

 娘を失い、失明したジャクソン。娘を守ろうと必死に生きるソフィア。カティアの存在を通し、次第に理解しあい、プライベートでもつきあうようになったふたりだったが、ソフィア一家は新天地を求めて香港への亡命を計画する。ソフィアはその準備金をジャクソンに支度してもらうが、手配できたビザは1通足りなかった。ソフィアは、一家から上海に残るよう命令される。

 おりしも上海事変が勃発し、上海は未曽有の混乱に陥る。それを商人・マツダの画策だとなじるジャクソンであったが、逆にマツダからソフィアの苦難を知らされる。
 隣人のユダヤ人に娘を取り返すよう説得されたソフィアは、避難民でごった返す港でカティアを探しまわっていた。同じくソフィアを追いかけたジャクソンは、出港した船から、カティアを奪い返す。

 ユダヤ人一家とともに、マカオ行の船に上船したジャクソンとソフィア母娘。先は見えない、ジャクソンの体調もよくない。しかし、彼らは寄り添いながら生きぬく希望に満ち溢れていた。

上海の伯爵夫人@映画生活
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