半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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今更ながら「オルセー美術館展」②
2007/04/28(土)
@東京都美術館 http://www.orsay3.com/

 前回はオルセー美術館展の好きな絵について書きましたので、今日は好きじゃない絵について書きます。

 オルセー美術館展を見た多くの人に意外に人気なのが、フェリックス=ヴァロットン『ボール』です。
 「かわいい」という感想がとても多い。私は「かわいい」と同時に「怖い」とも思いました。
 手前には、純白の服の少女がボールを追う背中。遠くに、正面を向き、顔ははっきりしないが深刻そうに話し込むふたりの女性。前者には日光のそそぐ明るい場所、後者は雲の下の暗い森という画面構成。
 私には、無垢な子どもの時代はあっという間に過ぎ、悩み多き大人になるのだというメッセージに思えたよ。
 と、そう語ると、観覧仲間のゆりちゃん(小学3年生)は、「私にはそうは思えなかった。それよりも不思議なのは、なぜあの絵にはボールが2つあるのだろうね。」と返された。
 それこそ私には驚きで、自分の記憶ではボールは1つしかないのです! 少女が追う赤いボール。
「うん、それともうひとつ、あの子のうしろにバスケットボールみたいなのがあるんだよ。なぜあの子は、それは追わないんだろうね?」
 いそいで確認してみると、確かにボールは2つありました。
 私は気づかなかったボール。何を表しているのだろう? なぜ追わないのだろう?

 ただ、それは、私は考えなくてもいいことじゃないのかと思えました。
 だって、私は、1つ目のボールの存在のみで『ボール』から私に必要な印象を得てしまったのです。私には2つ目のボールを知覚する必要がなかったのでしょう。
 そして、相方ゆりちゃんにこそ、2つ目のボールを知覚し、異なる印象を得る必要があった。「なぜあの子が2つ目のボールを追わないのか」は彼女が一生をかけて解くべき課題なのかもしれません。
 自分の受けた印象のままに、そのものを受け止める。
 印象派的な見方であれば、それもいいのではないでしょうか。(ヴァロットンは印象派でなく、ナビ派らしいですが。)
ボール

 

 おまけで、相方ゆりちゃんイチオシのルノワール『ジュリー・マネの肖像』。
 ベルト・モリゾの娘、エドゥワール・マネの姪。モリゾからルノワールに依頼して描かれたものです。より成長した姿もルノワールは描いており、そちらもオルセー美術館展に来ていました。
 ジュリー・マネ自身は画家ではありませんが、家族同然に暮らしていた印象派の画家たちにとってジュリーは娘のようなものでした。彼女の日記は印象派画家を知る資料としてよく挙げられます。
 エドゥワール・マネとの恋を終わらせたベルト・モリゾは、マネの弟ウジェーヌと結婚してジュリーを生みます。しかし、ジュリーが成人する前に両親は死に、遺言によりルノワールが後見人となり、娘同然に面倒をみます。
 ・・・という話はよく聞くのですが、成人後のジュリーの生涯はなかなかよくわからないのです。彼女がどのように生きたのか、とても知りたいのですが・・・。
 ベルト・モリゾの娘ジュリー・マネ

 余談ですが、私はルノワールが苦手です。
 幼い頃、家に『姉妹像』(絵の題を調べた今の今まで、母子像だと勘違いしていた。)が飾ってあり、その姉の三白眼が子ども心に恐ろしくて。夜にはその絵の掛かる部屋を通ってトイレにいくこともできませんでした。
 このジュリーの目もやや三白眼気味で、あの絵の瞳を彷彿とさせます。
 こんな機会がなければ、ルノワールをじっくりと見つめないでしょうから、苦手克服のためにも掲載します。


 読んでくださって感謝!!
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07:38 | 博物館・美術館| トラックバック:0 | コメント:2


コメント
 おやおや、うちの小学3年生のお気に入りも「ボール」と「ジュリー・マネの肖像」でしたよ。年頃的に惹かれるものがあるのかなあ。
 ポストカード買って良いよ、と言ったら、それらの他にゴッホの「黄色い部屋」を選んでいました。わかってるねえ。
 私もルノアールはあまり得意ではありません。良い絵なのはわかるけど。モネとルソーが好きなのは公言の通りなのですが、ギュスターブ・モローも良いよね。
 今回の展覧会は、ご指摘のとおりマネの良い絵が随分と見られましたね。
 それにしても絵の好みが近いなあ…
    2007/04/28(土) 13:31:17 | URL | kei-zu #j4ekpsMA[ 編集]
kei-zuさん、いらっしゃいませ。

「ボール」を好きなのは子どもが多いと思いきや、
検索してみたら大人も感銘を受けている人が多いみたいです。
受け取り方はさまざまですが、あの展覧会でも異色の一作と言えるかもしれませんね。

ルノアールを苦手な人がいてうれしいです。
大画家が苦手なんて、昔からなんだか気恥ずかしくて。
自分の感性を信じて書いてみてよかったと安心しました。

趣味が似ていますか。。。性格も似ていたりして。
    2007/04/29(日) 07:51:25 | URL | のんゆり #-[ 編集]

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