半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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オルセー美術館展2010「ポスト印象派」
2010/07/25(日)
 @国立新美術館。

 印象派~ポスト印象派は日本でもよく展示会がありますが、今回はひとことで言うと、「1,500円は激安!」でした。この1点で展覧会が開けるという秀作、有名作品が目白押しです。入場30分待ちもやむをえません。(そして、入場制限を知っていながら、土曜の昼下がりに行ってしまった私が阿呆です。)

 ただ、私は常々、博物館・美術館には「車いす&子ども専用ゾーン」を最前列に設置すべきだと考えていますが、今回は特にその思いを強くしました。
 評判の展覧会ですから、お子様連れや車いすのお客様も多数いらっしゃいます。しかし、一番混雑しやすい第1室はもちろん、教科書に載るほど有名な作品の前には人が押し寄せ、彼らの入り込む余地がないのです。後方で残念そうに、疲れた顔でたたずんでいる姿をよく見かけます。
 芸術と文化は、すべての人に公平にチャンスが与えられなくてはなりません。
 こういうミュージアム弱者のためにも、適切な距離で展示品に接する工夫を施されたいものです。


<好きな作品>
第1章 最後の印象派
●ドガ「階段を上がる踊り子」:もう1枚目からドガですもん。贅沢ですね。ゆるくシャッターを切った写真のように、手前の3人の踊り子が、1人の動きの軌跡を描いています。
●モネ「日傘の女性」:絵をこよなく愛する母が、私に贈ってくれた絵葉書に描かれていた女性。その日から、この絵に描かれているのは、私の母親です。

第2章 スーラと新印象主義
●スーラ「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」:スーラの技法を習得した画家は多くても、スーラには、彼に見えるものを描くには点描しかなかったんだと思わせてくれる絵です。額も点描なの。
●ジョルジュ・レメン「ハイストの浜辺」:この絵、この展覧会のなかで浮いています。印象派なのかもしれないけど、すごくビビットで前衛的。この時代に、こんな絵を描いていた人がいたのが驚きです。

第3章 セザンヌ主義
ああああ、私にはセザンヌが理解できません。構成美を極めたところが偉いの?
セザンヌが生涯をかけて描きつづった「サント=ヴィクトワール山」の1枚を見られたのはうれしかったです。

第4章 ロートレック
迫力ありますよねー。厚紙に大胆にふるわれた筆致。未完成なのに、完成品。
「赤毛の女(化粧)」のエロティックさにはドキドキ。娼婦に対する男性客の支配欲を描いた作品。PG-12ですよもぉ。

第5章 ゴッホとゴーギャン
 共同生活を営んだ二人の天才の作品を向かい合わせに展示する手法に、まずは感服。やりますね、新美!
 ゴーギャンの「タヒチの女たち」「≪黄色いキリスト≫のある自画像」など著名作品も見られて感激ですが、ここはやはりゴッホかな。
 数年前に国立西洋美術館に来た「アルルのゴッホの寝室」すら抑え込み、今展覧会№1の人気を誇る「星降る夜」。これまた有名な「自画像」。ゴッホはがぶり寄りで、肉厚の筆致を見るのが楽しいよね。ゴッホの黄色はどうしてあんなに輝くのでしょうね?

第6章 ボン=タヴェン派
エミール・ベルナール「日傘を持つブルターニュの女たち」:怖いよー。この絵、本当に怖いです。女たちの嫉妬と妄執が飛び交ってます。主役の少女は、いったい何をしてこんなに恨まれるようになったのでしょう。

第7章 ナビ派
 ナビ派をこれだけ特集した展覧会も滅多にないのではないでしょうか? お買い得!
●ドニ「カルヴァリオの丘への道」:悔しいけど、ドニは本当に天才なのだと思います。こんなに技術も発想も独特で、しかも飄々としている小憎たらしさがあります。宗教の題材だって、美しいのに皮肉めいています。
●ピエール・ボナール「白い猫」:この絵、理屈抜きで大好き!!! だって、うちの猫にそっくりなんですもの。どうしてこんなに伸びちゃったの。つい、絵葉書を買ってしまいました。猫好き画家さんですね。
●ヴァロットン「ボール」:また会うことができました。不思議な絵です。幻想的で、純粋で、でも大人の悪意と子どもの無邪気さが共存していて、底冷えを感じる絵です。

第8章 内面へのまなざし
●モロー「オルフェウス」:この絵に関しては、語りつくすということはないでしょう。完全なる人工の美というものがあるなら、モローの作品がまさしくそうです。「輝く未来を選ぶこともできる。しかし、過去を選択するのも幸福である。」というメッセージを私は感じましたが、いかに。
●ヴァロットン「夕食、ランプの光」:ヴァロットンの描く子どもは、どうしてこんなにあどけなく、大人の奥底を貫くのでしょう。子どもはいつだって真実を知っています。

第9章 アンリ・ルソー
 終盤になってルソーってひどいですよ。やっと終わり!とゴールが見えたときに、精気を吸われてしまいました。
「戦争」。ゲルニカも本物はすごい迫力だと聞きますが、ルソーの戦争も怖い。怒りと哀しみ。笑っているかのように見える戦の精霊は、浮世絵の疫神のように、人々を身も心も浸食していきます。


  損はしません。初心者にも向いてます。いってみてね。
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ボナール「白い猫」

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