半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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それでもボクはやってない と 県庁の星 の接点
2007/03/09(金)
 どの映画評にも書かれていますが、これは怖い映画ですね。
 「痴漢犯罪の場合、容疑者は確実に有罪になる」という構造がつまびらかに描かれています。
 当事者にとっては日常的にごくありうる軽微な過失。積み重なれば、なぜか転がるように無罪の人間も有罪になってしまう。
 本人の過失、被害者の過失、駅事務所の過失、警察の過失、検察の過失、裁判所の過失・・・。
 ハインリッヒの法則ですね。自分はいつでも有罪判決を受けるハメになりうるんだと言うヒヤリハットな恐怖です。
 だからこそ、当事者の誰もが罪の意識を持てないというのもまた怖い。自分がどの立場になったとしても、きっと自分を正義としか思えない。したがって、この不当な現実は容易に変わらない。
 フィクションですが、脚本と俳優を使ったドキュメンタリーのような印象を受ける作品です。


 この映画はいくつものメッセージをはらんでいますが、「裁判(官)は決して公平な判決を下すわけではない」というのも、その最も重要なメッセージのひとつです。
 冒頭の一文「10人の犯罪者を逃しても1人の無辜(無実の罪)をも罰してはならない。」を見たときは、「あー『疑わしきは罰せず』ね。」と暢気なものでしたが、劇終後には、「白鳥事件は勇気ある判決だったんだなあ。それで名判決文として語り継がれているわけか」と、この言葉の新たな一面を知りました。(もちろん全員を正当に裁くべきですけどもね。)
 裁判は有機的なものなんですな~。アメリカの司法取引に負けず劣らず、日本の司法も、血が通った人間の行為なのだと初めて知った気分です。

 実は、周防監督の制作動機を聞くと、鑑賞前は正直「司法叩きかなぁ」などという印象があったのですよね。。。
 そもそも、司法当局、とくに裁判所の仕組みは、一般的にあまり知られていませんよね。だから、良くも悪くも神格化、あるいは悪い誤解が流布してしまうものです。
 知られざる業界内実映画という点で、『県庁の星』も私としては(行政の禄を頂戴している立場なので)ヒットだったのですが、あちらの公開時、行政の内実を突いている点・誇張している点は業界での話題沸騰でした。
 それでも、おおむね公正かつ好意的に受け取られていましたね。それというのも、公務はとかく内実が一般に知られていない分、誤解されやすく、容易にバッシングの的になりやすいという弊害があります。
 業界に注目し、その実態を周知してくれた『県庁の星』は、事実誇張はあれど、行政の最大の悩みからすると感謝状ものだったわけです。
 立法機関・行政機関・司法機関のうち、司法機関は最後の象牙の塔と言えるかもしれません。『それでも僕はやってない』がこれだけ人気の高い映画となったということは、業界内実への注目度は今後高まっていくのでしょう。
 これだけ緻密な取材と司法制度への検証が行われていれば、当局も描写に納得する部分も多いのではないでしょうか。司法界でどのように受け入れられているのか、非常に気になるところです。

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県庁の星

それでもボクはやってない@映画生活
【ストーリー】
 青年が電車から降りると、女子中学生に「痴漢だ」と袖を掴まれ、駅事務所に連れて行かれる。警察署に行ったときには既に逮捕されていた。
 警察でも検察でも「否認を続けるなら起訴」と脅される。青年は当然無罪を主張し続けるが、拘留は続き、ついに起訴。弁護士からは「痴漢裁判は原告と被告の主張が証拠となるため、99.9%の裁判で有罪判決が下る」と告げられる。
 支援者(母、友人、痴漢冤罪で控訴中の男性)は被告無罪に向け証人探し、再現ビデオ撮影に奔走する。
 有利に傾きつつあった裁判も、裁判後半、裁判官交替により一気に硬化。被告支援団は判決直前に目撃者を発見するに至るも、証言は有効とみなされない。
 被告に悪印象を持ったのか、果たして、裁判官は主観的な有罪判決を下す。執行猶予付であったが、青年は即刻控訴を決意する。
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    2007/03/12(月) 01:04:29 | 冗談じゃない!
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