2007’10.23・Tue

大徳川展

 @東京国立博物館
 http://www.daitokugawa.com/
 
 徳川将軍家、尾張・紀伊・水戸の御三家および東照宮に伝えられてきた徳川家のゆかりの品々300余点を展示。
 「将軍の威光」武器武具など家康や直系藩主が愛した品々。
 「格式の美」将軍家に献上され、儀式に用いられた茶道具・能道具・絵画。
 「姫君のみやび」将軍家に嫁ぐ者、将軍家から嫁ぐ者。姫君のお輿入れ道具。


 お宝といえば、その物本来の貴重さ・希少さはもちろん、その由緒正しさも重要です。
 その点、今展覧会に揃った品々は、その物のよしあしも、由来も一級品。
「天下の逸品を収集し、保管し、後世に引き継いだ。徳川家はミュージアムの役割も果たしている。」なるほど、納得です。
 無数の国宝・重要文化財が揃い踏みというのは非常に貴重。お金も時間もかけて全国をまわらねば見られないお宝を一挙に味わえます。

 また、この展示を観ると、徳川家康観が変わるかもしれません。
「南蛮かぶれの織田信長、派手好きの豊臣秀吉、質実剛健の徳川家康」というのが私の従来のイメージでしたが、家康の子ども時代からの鎧コレクションを見る限り、家康こそ極度に南蛮かぶれで、合理的な性格だけど、ここ一番ではキンキラキンの華やかな意匠のものを好んだのがわかります。
 また、戦や政務に明け暮れていたにちがいないのに、名物茶道具や伽羅木の蒐集、そして健康にも異様な執着を示し、熱心に研究を重ねていたモーレツなパワーを持った人物だったこともうかがえます。
家康所有 歯朶具足(重文)


 鎧や馬印、メガネや茶器、鉛筆にいたるまで、数多く遺された家康所有の品々。
 それらは東照宮様の遺品として御三家を始めとする子孫に形見分けされ、それぞれ家宝として大事に受け継がれました。
 将軍は遺品を授けることで東照宮神の子孫であると由緒づけ、その遺品の格付けで徳川宗家を頂点にしたヒエラルキーを自覚させる。
 家康の神格化は一族の結束を高め、巨大な同族経営で政権を維持しました。遺品の数々を目の前にして、それこそ家康が画策した国家運営であったのだと、実感したのでした。

 なお、家康のタヌキ親父など知るかというかたには、ロマンチックな国宝のラインナップがオススメです。
 「源氏物語絵巻 東屋一(期間展示)」や3代家光の娘の嫁入り道具「初音蒔絵調度一式」などは姫ゴコロをくすぐりますし、千利休が切腹の日に作製した「竹茶杓・銘 泪」にも泣かされますよ。


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Categorie博物館・美術館
Genre学問・文化・芸術 Theme美術館・博物館 展示めぐり。

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