半径723mmの鑑賞録
 歴史好きな舞台女優による「古今東西、美しいもの」の鑑賞録です。 最新流行を追わなくても、「いいものは、いい」。 それを、きちんと形に残していければいいな。 ※ネタバレ注意※
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王の男
2007/11/24(土)
公式HP>>http://www.kingsman.jp/

 芸人の男2人が主人公。ひとりが男役、もうひとりが女役。
 ふたりは兄弟のように強い絆(愛?)で結ばれ、その才能で芸の道を極める。女役は美貌で時の権力者に男色愛を寄せられる。権力の渦に飲みこまれ、芸人生命を絶たれ、壮絶な最期を迎える。


 あらすじを描けば、京劇を舞台にした陳凱歌の名作『さらば、わが愛~覇王別姫』と似ています。
 しかし、『覇王別姫』が「人間性をひきさく時代」を描いたのにくらべ、本作は「時代に抵抗した人間性」を描いているところが特徴です。

 人間ドラマを主軸に置いているぶん、時代背景を知らなくてもじゅうぶん楽しめます。中国より韓国のほうが国民性が近いのか、登場人物の行動に共感できるところも多いです。
 男役チャンセンの男気、燕山君のキテる度、寵姫ノクスの毒気など、名優ぞろいの演技もよし。韓国の役者さんの演技は感情も表情も豊かで、とても勉強になります。
 同じ舞台設定でもこんなにちがう料理になるんだ、と味わえる一品となっております。


 とくに興味深いのが、女役の人間性
 『覇王別姫』の小豆子(♂)は性同一性障害だと思われます。基本性は女性なので、男色に身をゆだねても、もうひとりの主人公・男役の石頭(♂)に愛を寄せても、「恋に揺れる女性」にしか見えません。
 しかし、『王の男』のコンギルは基本が男性です。男色は芸人としての生活のつてであり、男色相手の燕山君に対する気持ちも友情や同情、相棒のチャンセンへの強い思慕も愛情ではありません。ひとりの男性が、時代と人間関係に人生を左右されるようすをリアルに描いているのです。
 だからこそ、芸人として、性を売らなくてはならない厳しい生活、低い身分が浮き彫りになるのであり、同時に身分の低い者を取り立てた燕山君の乱行ぶりが強調されるのです。


 そして、クーデターの最中、死を目前にしたコンギルとチャンセンが大道芸を行うラストシーン。
 「次にうまれてくるときも、必ず芸人に。唯一無二の相方と、芸をやろう。」
 時代に翻弄されても、芸人としての運命を選んだ男たちの強さが鮮やかにきらめくのです。
 恋物語で終わらない、一面的でない人間ドラマ。男だからこそ、芸人だからこそ編み出される人間模様。
 それが、『覇王別姫』が持ち得なかった『王の男』の魅力なのです。


余談①その中世的な美貌が一躍有名になったコンギル役のイ・ジュンギ
 くさなぎくん主演の『ホテルヴィーナス』に出演していた韓国人少年でもあります。
うーむ、気づかなかったわ。たしかにキレイな顔立ちの子だった記憶が。。。

余談②燕山君は韓国史上最悪の暴君。
 『チャングムの誓い』で、チャングムが仕えていた中山王はこの燕山君の弟で、次代の王。
 つまり、『王の男』に出てくるラストのクーデターで王位に就きました。
 燕山君の母后の毒死も政変として有名ですが、その陰謀に巻き込まれたのがチャングムの父母という設定です。


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【『王の男』あらすじ】
 大道芸人一座の花形・コンギルとチャンセン。仮面劇(山台劇)のコンビで兄弟のように育ち、芸を磨いてきた。しかし、芸人のならいで、美貌のコンギルは一座の客に身を売ることを余儀なくしていた。 それをみかねたチャンセンはコンギルと座長を殺害し逃亡した。

 ふたりは首都・漢陽で大道芸人を集め、売れっ子一座となる。十八番は放蕩で知られる当代の王・燕山君と妓生出身の寵姫・ノクスの痴態を描いたブラックユーモア。そのため、一座は投獄される。
 御前芝居で王を笑わせてみせたら出所させろとハッタリをかますチャンセン。その願いどおり、王をこきおろした下品な芝居を燕山君は気に入り、一座を王宮に住まわす。

 王に召されたコンギル。両班にないがしろにされ、政敵に母を毒殺された王の深い哀しみを知る。その一方で、王の腹心は一座を利用して政敵を一掃しようと企てていた。チャンセン一座は言われるがままに、重臣の不正を暴露し、王の生母の死の秘密をさらす芝居を上演していった。そしてそのたびに、激怒した王は政敵を惨殺した。
 コンギルは異例にも官位を与えられた。しかし、いや増す王のコンギルへの寵愛ぶりに命を狙われるようになっていった。王と両班の対立は激化し、両班の怒りはチャンセン一座に向かった。一座のメンバーは虐殺され、コンギルもノクスの陰謀により謀反の濡れ衣をかぶる。

 コンギルを救うため、チャンセンは身代わりとなり失明した。幾度となく王のもとを辞退しようとするコンギルであったが、孤立を深めた王を見捨てることもできない。脱牢したチャンセンはコンギルを捜し求め、最後の大勝負、王宮広場で決死の綱渡りを敢行する。
 クーデターの群れが王宮に押し寄せるさなか、王宮広場で山台劇を演じるチャンセンとコンギル。官位も、王の寵愛も、すべてのしがらみも捨て、最期の芸を競演しよう。うまれかわっても芸人に。

 一座は、あの世で幸せに踊っていた。
 
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